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第八話 浅所海岸にきたもの
「どごでも夜明げ頃さ炊事する。その煙立ぢ上り雲のようにだなびいでらもんだ。とごろがじゃ、この村はそったごどがね。沖がら見だ船人も村の煙見だごどが無ぇどいう不思議…
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宴 福久来
東京で日本料理の修行を積んだ大将が2000年に開業。大将自慢の自家製生干しご賞味ください。 美人女将とイケメン大将のトークも楽しめます。各種宴会等お問合せ下さい…
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第七話 菅大神
“いそやかたを過るに、女の声にうた唄ふを近づきて見れば、あさり貝ほりとる也” ――透き通るような良き声じゃ。 海風に乗って聞こえて来るのは女が唄う浜唄だ。 目を…
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第六話 野辺地の関所を超える
伊能忠敬が測量で全国を歩いた総距離は4万3682Kmと軽く地球一周を超えている。 それよりも歩いた日本人は昭和の民俗学者「宮本常一」(1907~1981)がいる…
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第五話 真澄、夏泊半島へ旅立つ
“極楽の浜のまさごち踏む人の終に仏がうたがひもな” 高熱によるうつつの中で、仏ヶ浦の風景と浄土がごちゃ混ぜになる。 どこからか陽気な南部の唄が聞こえる。 ~田名…
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第四話 下北半島のいにしえ
“ねんねんよ おころりよ 坊やはよい子だ ねんねんよ” 赤子の頃の夢なのか岡崎の子守歌がグルグルと頭を巡る。 諸国の神社や寺々や名勝古蹟を訪ね歩き、その見聞した…
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第三話 円空仏の誘い
“名残さへ浪路へだてて出る舟を思ひの絆ひきもとどめず” 世話になった松前の人たちに手を振る。 冬の海は危険と止められたが、このまま滞在すれば身の危険と感じた。 …
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第二話 目出度さも人任せなり旅の春
“我道の神とも拝め翁の日” 時代はずれるが南信州を中心に放浪し、俳句を詠み続けた井上井月(いのうえせいげつ)がいる。表題の句は井月が崇拝しており、芭蕉翁を偲んで…
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離れ小島や浦々の風景
夏泊半島では、真澄は峠からの眺めをよく日記に記述しています。例えば稲生を越えて、小稲荷の山越えでは、油目碕を見渡し、離れ小島や浦々の風景が良いと残しています。浦…
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塩釜神社
“見し人のけふりとなりしゆうべより名もむつまじき塩がまの浦” 親しい方が煙となって消えてしまった夕暮れから、「睦まじき」という音と同じ「陸奥の国」の塩釜の浦でた…