夏泊半島の真澄
-
第二十六話 弘前藩採薬御用になる
河童が人間や馬に悪戯をした後に捕まって懲らしめられ、詫びの印として薬を渡したり、調薬の方法を教えたという河童の妙薬伝説は全国にみられる。 薬の種類には、骨接ぎ、…
-
第二十五話 タラのおびれ
真澄が暮らしていた時代、初漁に出る日は、女たちが鱈の子を入れた粢(しとぎ)を作り、男たちは粢を身体中に付け漁に出る。この粢は鱈が獲れるまで付けたままでいる。 古…
-
第二十四話ねぶたと土着信仰
風の音、波の音、吹雪の音、ねぶたの音、民謡の音、津軽三味線・・・。 津軽じょんがら、津軽おはら、津軽よされ、津軽あいや、津軽三下りの津軽五大民謡、津軽民謡は20…
-
第二十三話 ねぶた発祥地・平内
柳田國男は蝸牛考で、東京や京都から最周縁にこそ、日本の原型や文化が残っていると言った。確かに祇園祭の流れや言葉が残るが、それは後年の話である。 明治9年(187…
-
第二十二話 童子村の正月
この時代は、朔日(ついたち)に山のご来光を拝む行事はないが、引ノ越山は童子村の信仰の山で、旱魃の時には山に籠もり雨乞なども行われており、昭和32(1957)年か…
-
第二十一話 奇異な姿の引ノ越山
“比岐之己志が嶽のそびえたる三角がたけの、不二の俤に霞み”(津軽の奥) 真澄の文章の特徴に目の前に人が現れ、ひとしきり話をすると去って行くパターンが多く、これは…
-
第二十話 善知鳥の話
本名は白井知之らしいが「白井英二」や「秀雄」、「白井真隅」ほか様々な名前を使っていた。50歳半ばにようやく「菅井真澄」を名乗るが、このように名前を頻繁に変えた人…
-
第十九話 善知鳥崎の桟(うとうまいのかけはし)
“桟橋や命をからむ蔦葛” 松尾芭蕉 古くより中仙道の三大難所の一つ「木曽の桟」は、街道屈指の難所で、断崖に差し込んだ丸太の上に板などをあてて通行できるようにして…
-
第十八話 真澄浅虫温泉で湯治する
浅虫温泉のような歴史はないが、平内町には「よごしやま温泉」がある。 近くには夜越山森林公園(洋ラン・サボテン園)や夜越山スキー場、オートキャンプ場もあり、家族レ…
-
第十七話 塩釜神社の不思議
“見し人のけふりとなりしゆうべより名もむつまじき塩がまの浦” 親しい方が煙となって消えてしまった夕暮れから、「睦まじき」という音と同じ「陸奥の国」の塩釜の浦でた…