夏泊半島の真澄
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第十六話 茂浦塩釜神社
茂浦村では南部藩時代より製塩が行われており、正保4年頃までは製塩所が5ヶ所あったが、その後、燃料となる木材の不足で2ヶ所に減った。 国日記によれば、元禄15年頃…
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第十五話 夏泊半島の伝承伝説
とにかく真澄は筆まめであり物事に疑問を持ち貪欲に探求した。フィールドワークの達人でありヒアリングの天才と言って良いだろう。 真澄の文章の特徴は目の前の情景や出来…
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第十四話 漫画になっている椿山伝説
その地域の地名や歴史は伝承も含め、現在に活かせるコトが多い。 真澄はその地名や伝承、祭をたくさん書き残している。 地域固有の個性豊かな伝統芸能や美術工芸品、お祭…
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第十三話 都波岐神社と伝説
“影おつる礒山椿紅に染めて汐瀬の浪の色こき” 夏泊半島の突端に位置し一万数千本の藪椿におおわれた椿山。 この辺りは「椿山海岸」といい、日本の渚100選に選定され…
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第十二話 真澄「はたれうた」を作る
津軽は第二のふるさとと言った司馬遼太郎は「津軽弁ができなくてずいぶん損をした」 と零していたそうで、それほど津軽に愛着があった。津軽の何が司馬を引きつけたの…
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第十一話 豊穣の陸奥湾
ホタテ貝は「口を開いて一つの殻は舟のごとく一つの殻は帆のごとくにし、風にのって走る。故に帆立蛤と名づく」と、当時は帆掛け船とよく似ているために一片を帆のように立…
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第十話 雷電の森
“みつしほの浪のしらゆふあさな夕かけていく世になり神の宮” 南部氏に仕え福館を居城としていた七戸氏は、修理の代に津軽氏に帰順した。 これに怒った南部氏は報復のた…
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第九話 悲恋錦木伝説
“錦木のその名も朽ちず今の世にいひこそ立ち古き例を” 能は『現代能』と『夢幻能』に分類される。「夢幻能」の基本形は、旅人が名所旧跡を訪れると、そこに里人が現われ…
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第八話 浅所海岸にきたもの
「どごでも夜明げ頃さ炊事する。その煙立ぢ上り雲のようにだなびいでらもんだ。とごろがじゃ、この村はそったごどがね。沖がら見だ船人も村の煙見だごどが無ぇどいう不思議…
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第七話 菅大神
“いそやかたを過るに、女の声にうた唄ふを近づきて見れば、あさり貝ほりとる也” ――透き通るような良き声じゃ。 海風に乗って聞こえて来るのは女が唄う浜唄だ。 目を…